新型コロナウイルスの感染拡大の対策が取られてから、2週間は経ちましたが、依然感染拡大が収まらない状況です。
そんな中、毎日ニュースで耳にする「濃厚接触者」についてです。
濃厚接触者とは身体的な接触だけではないと言われていますが、どのような接触をあらわしているのでしょうか?ご存知の方もいるかもしれませんが改めて内容を整理してみました。
4月21日に濃厚接触者の定義が変更されましたので、追記しておきます。
濃厚接触者とは
追記:濃厚接触者の定義変更
4月21日濃厚接触者の定義変更
4月21日に濃厚接触者の定義が変更されました。
国立感染症研究所は、新型コロナウイルスの患者から感染したリスクのある「濃厚接触者」の定義を変更した。接した時期を患者の「発症日以降」から「発症2日前」に早めた。距離については「手で触れることができる範囲(目安として1メートル)の距離で、必要な感染予防策なく、患者と15分以上の接触があった者」とした。出典:日本経済新聞
距離についての変更
以前は「目安2メートル以内」でしたが、変更後「目安1メートル以内で15分以上接触した人」となりました。
より、距離が1メートル縮まって至近距離になっていますね。時間も付け足され15分以内となっていますが会話は対面に限らずだそうです。
これだと、接客業などの人と接するお仕事の人は以前より大丈夫な感じです(安心はできませんが)
発症からが発症前にと変更
3月12日に発表された定義では、
「患者が発症した日ごろ~」だったのが、変更後「患者が発症した2日前」に改められました。
【濃厚接触者の定義】
変更前(3月12日) | 変更後(4月21日) | |
感染者との距離 | 2mでの対面での会話 | 1メートル以内でマスクなしに対面に限らず15分以上会話をした場合 |
接した時期 | 発症したころ | 発症2日前 |
会話 | 対面での会話 | 対面以外の会話も含める |
感染研が発症2日前から感染のリスクがあることを認めた形になる。会話では1メートル以上の距離が求められ、マスクなしに1メートル以内で15分以上会話し、相手が2日後に発症すれば濃厚接触者になる恐れが高まる。マスクには不織布のサージカルマスクだけでなく、布マスクも含まれるという。出典:日本経済新聞
今回の変更で注目すべき点は、「発症後接触した人」ではなく、「発症の前(2日前)にマスクなしに1m以内で15分以上会話するなど接触した人」となっているところです。
以前から、発症前であっても感染力があるとは言われてましたが、香港大学公衆衛生学部のEric Lau氏らの研究チームによると「感染力はCOVID-19発症の2.3日前から急激に高くなり、COVID-19発症の0.7日前に感染力のピークを迎えることが判明しました」と発表しています。
香港大学公衆衛生学部のEric Lau氏らの研究チームは、SARS-CoV-2に感染した人が排出するウイルスの数を検証するため、2020年1月21日~2月14日の間に中国の広州市第八人民病院に入院したCOVID-19患者94人を対象とした検査を実施しました。その結果、COVID-19患者から検出されたSARS-CoV-2の数は、発症後すぐにピークに達した後、約21日間かけて減少に向かうことが分かりました。出典:Gigazine
香港大学公衆衛生学部のEric Lau氏らの研究チームの記事はこちらGigazine
感染力が最も強いのは発症する直前だということが興味深いです。
この研究チームによると「発症前の感染がかなりの割合を占めているので、治療薬やワクチンがないうちは、手洗いや社会的距離拡大戦略などを徹底することが対策の要になるでしょう」と話しています。
発症前が最も感染力が強いと分かったところで、発症してからでないと自分が感染していたか分からないのに、「どうやって気を付ければいいんだ」といった感じです。
うつらないためにも、うつさないためにも、「常に人と接するときはマスクをする」「マメに手洗い・うがいをする」「長時間1メートル以内での会話は気を付ける」など、あと食事を同じテーブルでとる時にはあまりしゃべらないで黙々食べるっていうのも個人的には効果があるような気がしますが…
濃厚接触者の定義のおさらい(3月12日時点での濃厚接触者の定義)
厚生労働省によると、濃厚接触とは必ずしも身体的な接触を指すものではないということです。
感染者と同じ空間にいたり、対面で会話をしたりした場合でも、濃厚接触者に含まれるそうです。
国立感染症研究所感染症疫学センターの定義では以下の4つだそうです。
(1)新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
(2)適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護もしくは介護していた者
(3)新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
(4)手で触れること、または対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで「患者」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断)出典:THEPAGE
一言でまとめると至近距離(2m以内)での接触者ということでしょうかね?2mというのは飛沫が飛ぶ範囲ということなので、マスクをしてなかったら、3mでも飛ぶこともあるでしょうし、一概に2mとは言えないみたいです。
上の定義からすると一緒に暮らす同居人はもちろんのこと、乗り物なので席が隣あった人や診察や看護・介護で患者さんと身体的接触をした人などが濃厚接触者になるんですね。
恥ずかしながら、初めて「濃厚摂接触者」という言葉を聞いた時には、家族や恋人などのスキンシップができる間柄と思ってしまいました。濃厚という言葉から親密な印象を受けました。
そしてこの濃厚って言葉のイメージだけで考えると、ちょっとわかりにくかったのが2m以内での対面の会話です。2m以内で対面の会話をすれば濃厚接触者になってしまうですよね。接客業などは気を付けないと濃厚接触者になってしまいます。
濃厚って言葉が曲者です。もっと分かりやすく至近距離接触者とかにすれば分かりやすいのに…
それはさておき、そんなに親しくない間柄でも誰でも濃厚接触者になってしまう可能性があるっていうことです。つまり、つば(飛沫)が飛んでくる距離で接していれば誰だって濃厚接触者です。
実際、感染した場所を見てみると、ライブ会場・ジム・ホットヨガ・卓球会場・屋形船など他人同士が至近距離で集う場所が大半です。
濃厚接触者とは飛沫が飛ぶ範囲で接している人 |
クラスターが発生しやすく行かない方がいい場所
集団クラスターが発生しやすい場所があります。
それは3つの条件が重なったところです。
●風通しの悪いところ
●近距離での会話や発生がある
●手の届く距離に多くの人がいる
これに当てはまるのが、「ライブハウス」「スポーツジム」「屋形船」「ビュッフェスタイルの会食」「雀荘」「スキーのゲストハウス」などといったところですが、これはあくまで「今までに発生した例」に過ぎないと言われています。
「換気が悪く」「密度の高い空間」で「会話をするような場所」に当てはまるところは気を付けた方がいいですね。他にも「カラオケボックス」「クラブ」「バー」「飛行機などの乗り物」などがあります。
「人が集まる風通しの悪いところ」 | ライブハウス・スポーツジム・屋形船・ヴュッフェ・雀荘・カラオケボックス・クラブ・バー・飛行機などの乗り物 |
また、専門家会議では、(国立感染症研究所の脇田隆字所長が座長、メンバーは感染症の研究者の専門家の集団です)
専門家会議によると、これまでに国内の症例を分析した結果、
(1)症状の軽い感染者が気づかないうちに感染拡大させてしまっている可能性
(2)重症・軽症にかかわらず約8割の感染者は他の人に感染させていないことという2点が分かってきました。
(1)については、若い世代は重症化する割合が非常に低いことから、すでに感染はしていても症状が軽いため、活発に移動するなど通常の活動を持続し、結果として多くの中高年世代に感染が及んでいる可能性があることを示しました。
(2)については、さらに重要なポイントが加わります。感染者のすべてが他の人に感染させているわけではないのですが、「一定条件を満たすと、1人が複数人に感染させることがある」というのです。
そして、その一定の条件というのが、呼びかけの中にあった「人が集まる風通しが悪い場所」なのです。
と話しています。
つまり、気づかぬうちに感染しているけども、その多くの人は他人に感染させることはないが、ある条件が加わると感染させるリスクが高まるということのようです。
その条件と言うものが、上記の集団クラスターが発生しやすい「人が集まる換気の悪い場所」というものです。
まとめ
ほとんどの人が感染しても他人に感染させることはないけれど、ある条件が揃うと感染力が増すということでした。ある条件とは今しきりに言われている3密というものですね。
うつらないためにも、うつさないためにも、3密をできるだけ避け、マスクや手洗い、アルコール消毒などで徹底的に予防に努めたいです。
気を付けることは十分対策をして、感染拡大が早く終焉することを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
動物は感染しないのでしょうか?実は数例ですが感染例が報告されています。