新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、来週から全面的にオンライン診療がスタートすることになりました。
今回は収束するまでの特例措置として、初診でのオンライン診療が認められました。
オンライン診療といっても、どのように受診するのでしょうか。
初診オンライン診療13日から始まる
今までのオンライン診療は対面での診療を重視するため、初診でのオンライン診療は認められていませんでした。
ですが、今回新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一時的な措置ではありますが初診でもオンライン診療で受診が可能となりました。
今回は特例
1.容体変化や処方箋を変える場合でも、継続治療であれば通院の必要なし
2.ネット環境がなかったり、上手く使えない高齢な世代に対しては、継続的処方は電話での診察でもよいとしています。
今回のオンライン診療緩和の狙い
新型コロナが収まるまでの期間限定で、初診からでも受診を認める。
人との接触を避けるのが目的
緊急事態宣言が8日発令されましたが、病院への通院などは認められています。ですが、病院へ通うまで、交通機関を乗り継いで通院しなくてはいけない場合など、どうしても人との接触は避けられません。また、待合室で何時間も待たされることも感染のリスクが高まります。
オンライン診療にすることで、そういった人との接触を避けることができ、感染のリスクを下げることが期待されています。※必ずしも、病院がリスクが高いわけではないですが、待合室が混んでいる場合は高密度に当てはまります。
受診控えを改善する目的
持病を持っていて、いつもの診察に行きたいけど感染が怖くて受診を控えている人もなかにはいらっしゃいます。そのことで健康を損なうことがないようオンラインで診察の機会を得てもらおうというのがもう一つの狙いです。
初診でもOK
今までは、オンライン診療は患者のなりすましや虚偽などを防ぐため、受診歴がある人に限定されていました。
人との接触をなるべく避けるため、または院内感染を防ぐため、新型コロナウイルスの感染が拡大している間は初診からでもオンライン診療を受けられることになりました。
すでに約1200の医療機関で利用できるということです。
オンライン診療のメリット(通常の場合でも)
・何より新型コロナの感染リスクを避けられる
・遠隔地でも診療を受けられる
・通院時間や待ち時間がないので、忙しくて病院に行けなかった人には助かる
・足が不自由な人にとってはありがたい
オンライン診療のデメリット
・むずかしい病気の場合、診断がつきにくい(触診や聴診器での診察も重要)
・高齢者には導入時のハードルが高い
オンライン診療の流れ
準備
1.スマートフォンやタブレット、パソコンに「オンライン診療アプリケーション」をダウンロードする。※パソコンやスマートフォンなどがない患者については、医師の判断で電話でも受けることができる。
2.問診表の入力や保険証の登録など基本情報を入力する
3.診療日を予約する
いざ診察
1.予約の日時前に、スマートフォン、タブレット、パソコンの前で待っています。
2.予約の時間になると医療機関の医師から発信され、ビデオ通話によって診察が開始されます。
診察後
診察が終了したら、決済が行われます。
今回の特別期間中の支払方法は、クレジットカード払い、銀行振り込み、通院した際まとめて支払いなどがあるそうです。
お薬は
薬は郵便書留などで配送し、原則7日分までとした。
医療機関から薬局にファックスなどで処方せんを送り、服薬の指導は電話などで行ってもよいとしています。そして、確実に患者に薬が届く方法なら、薬剤師の判断で例えば宅配便などで薬を送るといった方法も可能になりました。これなら患者は在宅のまま薬が入手できます。
これまで、オンライン診療では郵送などで届いた処方せんを患者が薬局に持って行き、対面で服薬指導を受けて薬を受け取るのが原則でした。これに対し先月28日に厚労省が出した通達では
今までのオンライン診療 | 特例措置としての今回のオンライン診療 | |
初診 | ✖ | 〇 |
処方箋 | 郵送で届いて患者が薬局に持っていく | 医療機関からFAXなどで薬局に送信される |
服薬指導 | 対面での服薬指導を受け薬を受け取る | 宅急便などで薬を送り、電話での服薬指導が可能になる |
診療報酬
初診料がオンライン診療だと若干安くなります。
対面での初診料(通常) | オンライン診療の初診 |
2880円…3割負担で864円 | 2140円…3割負担で642円 |
現金払い・クレジットカードが利用できればカード払い | クレジットカード・銀行振り込み・次回通院時まとめて清算 |
実施できる医療機関
現在1200の医療機関で実施できるそうですが、
詳しくは「都道府県ごとにホームページで公表する」そうです。
こういうことはNG
・新型コロナウイルスに感染したかの診察はできない。
・向精神薬の処方はできない。
・症状によっては診断が処方ができない場合、対面診療や他の医療機関への診察を促す場合もある
この場合は診療ではなく受診勧奨になるとあります。
まとめ
「コロナが収束するまでの期間限定措置であること」と
「病院への受診控えを防ぐ目的と感染リスクを避けるのが目的」です。
かなりオンライン診療の制約が今回に限って緩和されているなと思いましたが、今まであまり普及してこなかっただけに、どれだけの人がオンライン診療を受けるか疑問です。
高齢者の方など特に重症リスクが高いですからぜひこの特例措置を利用してほしいですが、分かりにくさから、今まで通り受診控えをされる方が増えるのではないかと思われます。
最後までお読みいただきありがとうございました。