新型コロナがヨーロッパ・アメリカ・アジアへと世界中に蔓延し、現在終焉の見通しもたたない状況です。また選考会の延期が発表され、いまだ代表選手の4割が未定のままです。
果たして予定通りにオリンピックが開催できるでしょうか?
東京オリンピックを延期を求める各国連盟の声
ここ数日の各国連盟の延期要請
20日:アメリカ水泳連盟、延期要請
21日:アメリカ・イギリスの陸上競技連盟、延期要請
21日:フランス水泳連盟、延期要請
21日:ノルウェーオリンピック委員会、延期の再考を要請
22日:ロシアボクシング連盟、延期要請
23日:カナダオリンピック委員会、予定通りなら選手の派遣を拒否
24日:イギリス、陸上・水泳などの各競技団体が延期要請予定
アメリカの陸連と水泳連盟
アメリカからは、アメリカ陸上競技連盟とアメリカ水泳連盟が延期の要請を出してます。
[21日 ロイター] – 米国陸上競技連盟(USATF)は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪の延期を要請した。
USATFは米国のオリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)のサラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)に対し、延期を求める書簡を送ったという。
同連盟のマックス・シーゲルCEOは「ほかのアスリートやスポーツ連盟などのスケジュールを考慮して、延期した五輪の日程を改めて組むことの難しさは理解している」としながらも、「現在の世界情勢の中、このまま前に進むことはアスリートたちにとって最善策ではない」と述べた。米水泳連盟も東京五輪の延期を要請している。出典:msm
3月22日 配信
延期の日程を組むことの難しさを理解している人物の口からも、延期の声が出ています。
カナダのオリンピック委員会
3月23日、カナダのオリンピック委員会が、予定通りなら選手の派遣を拒否すると表明しました。
カナダのオリンピック委員会とパラリンピック委員会は22日(日本時間23日)、東京五輪が延期されず予定通り開催される場合、選手の派遣を拒否することを表明した。新型コロナウイルス感染拡大を懸念したもの。カナダ公共放送「CBC」のニュース速報公式ツイッターが報じている。
出典:THEANSWER
3月23日10:52配信
少しずつ各国の対応が、変わってきつつあります。今まで延期要請などはありましたが、選手の派遣を拒否という国はありませんでした。今後ますます、こういった国が増えてくれば延期せざるを得なくなり、今後この問題の焦点は「予定通りか延期か」ではなく、「いつ延期」に変わってくるでしょう。
ヨーロッパからの声
イギリスでは
イギリスの新聞「サンデータイムズ」によりますと、陸上や水泳などの各種競技団体は24日にイギリスオリンピック委員会などと電話会談をし、東京オリンピックの開催延期を求めるということです。電話会談の後、イギリスオリンピック委員会が今年秋か来年への延期の要請を正式に発表するとみられます。
出典:livedoorNEWS
2020年3月23日 7時18分
フランス水泳連盟
フランス水泳連盟は21日、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する現状にも東京五輪を予定通りに開催する立場の国際オリンピック委員会(IOC)に対し「受け入れられない。IOCは延期の選択肢を全力で精査するべきだ」と要請する声明を出した。
出典:東京新聞
3月22日 21時27分 配信
フランスは競泳の強豪国で、2012年のロンドンオリンピックでは金メダルを4個獲得しています。
スペインサッカー連盟
スペインサッカー連盟(RFEF)は21日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、東京五輪の延期を要請する旨の声明を発表した。
出典:Goal.com US
3月22日14:35 配信
スペインもヨーロッパの中で感染者の数が、爆発的に増えている国の一つです。
そんな状況の中で、後4か月で収まるか考えると難しい状況だと判断した発言ではないでしょうか?
ノルウェーの五輪委員会
ノルウェーの五輪委員会も、東京五輪は新型ウイルスの世界的な大流行が収まってからにするべきだと話し、選手もIOCに再考を求めている。
出典:livedoorNEWS
3月21日 17:29 配信
世界的大流行が収まってからにするべきだというのは最もな意見ですね。
ロシアからの声
ロシアからはロシアボクシング連盟が 1年延期と主張しています。
モスクワ 22日 ロイター – ロシア・ボクシング連盟のウマル・クレムレフ代表は22日、新型コロナウイルスの流行によりアスリートの準備や健康に影響が出る可能性があるため、東京五輪を1年延期すべきと主張した。
出典:Reuters
3月23日 11:34 配信
オーストラリアの声
オーストラリアでは、もうすでに延期の予定でいるようです(笑)
オーストラリア・オリンピック委員会は23日、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の延期検討を発表したことを受け、同国の選手に来夏の開催を前提に準備するよう指示した。出典:jiji.com
3月23日14:26 配信
少し早いような気もしますが・・・
IOC側は
バッハ会長
【ニューヨーク共同】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は19日、新型コロナウイルスの感染が拡大する現状でも予定通りの開催を目指す東京五輪について「もちろん違うシナリオは検討している」と述べた。米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに答えた。
出典:msm
IOCのバッハ会長は今まで「WHOの勧告に従う」というだけで延期に対して受動的な姿勢でしたが、ここにきて「もちろん違うシナリオは検討している」と初めて、開催延期も検討をしていると発言されました。
追記:3月23日
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、国際オリンピック委員会(IOC)は二十二日、東京大会の延期を含めた具体的な検討を始め、四週間以内に結論を出すと発表した。
世界陸連兼務IOCの調整委員も務める「セバスチャン・コー」
開催延期に賛成だが、今年以降の延期には難色を示している。今年秋に延期派。
コー会長は9月または10月に延期することは可能かどうかの質問に対し「それは可能だ。現時点ではどんな可能性もある」と答えた。一方で2021年に延期する案に関しては「それは表面上簡単な提案のように思える。ただ、世界選手権大会はあなた方が話している日付(2021年8月6日から15日)と全く同じであるため、 1つ降ろすと言うほど簡単ではない」とし、2021年の東京オリンピック延期は難しいとの考えを明かしている。なお、現段階で決定を下すのは時期尚早であるとの見解も示した。
この世界陸連兼務のIOC調整委員も務めるセバスチャン・コー氏は次期IOC会長候補とも噂され、発言力のある人物だそうです。開催延期に理解を示しつつも、1年後の延期はむずかしいという意見のようです。
延期にした場合かかる費用
関西大学の宮本勝浩名誉教授による試算
東京オリンピックが、新型コロナウイルスの影響で予定通りに開催できなくなった場合、延期による経済的損失(※1)は約6,408億円という試算が出ています(1年間)
※1 経済的損失とは、大会が延期または中止になったときに発生する「新たな費用」と、「開催により期待されていた経済効果」が 失われる金額の合計だそうです。
東京オリンピック・パラリンピックが、新型コロナウイルスの影響で予定通りに開催できなくなった場合、延期は約6,408億円、中止は約4兆5,151億円の経済的損失が推測されることが2020年3月19日、関西大学の分析結果から明らかになった。
出典:ReseMam
経済的損失とは大きく分けて三種類に分類されるそうです。
「大会開催前」「大会開催中」「大会開催後」の3種類です。
この中で経済効果が大きいのは「大会開催前」と「大会開催後」で次に、「大会開催中」という順番です。開催期間中よりも、開催前後の期間の方が経済効果が大きいと言われています。
その効果は、大会終了後の経済効果は大会期間中の3倍以上と予測されているそうです。
東京オリンピックが1年間延期されたときの経済的損失については、
・競技場や選手村などの施設の1年間の維持・修理・管理の費用として約225億円
・大会に関係する各種スポーツ団体が五輪に合わせて再び準備する1年間の必要経費約3,900億円
合計で約4,225億円と試算。
・大会延期で失われる経済効果が約2,183億円
・大会延期にかかる諸費用の約4,225億円
経済的損失の総計額は約6,408億円。延期をするだけで、これほどのお金がかかると言われています。
宮本名誉教授は「1年間大会を延期しても経済的損失はほとんどないとか、経済効果は変わらないとか言うのは間違いであり、かなり大きな経済的損失が予想されることになる」としている。出典:ReseMam
まとめ
予定通りの開催は難しいような気もしまが、この試算を目にすると、延期となると莫大な費用が掛かることも、延期へのハードルが高い要因の一つのような気がします。