新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「免疫力」に注目が集まっています。
当然ですがこの未知のウイルスによる肺炎のお薬はまだ開発されていません。治療はすべて対処療法となり「酸素吸入」「人工呼吸器」「ECMO」での治療が中心と言われています。基本は自分自身の免疫力がウイルスを封じ込めるのを待つしかないといった現状です。
そこで自分の免疫力を高めておきたいと思うのは誰もが考えることです。
その中で、免疫力を下げてしまう大きな要因となるストレスについて
「どのくらいストレスが免疫力に悪影響を与えるのか」について調べてみました。
免疫力とストレス
ストレスが続くと「なぜ風邪にかかりやすくなるのか?」
コルチゾールというホルモンが鍵
「ストレスが続いていると風邪にかかりやすい」と言われていますが、なぜ風邪に罹りやすくなってしまうのでしょうか?」
それは、ストレスを感じると分泌される「ホルモン」と関係があると言われています。
人間の身体はストレスを感じると「ストレスホルモン」と言われる様々なホルモンを分泌するようにできています。
ストレスホルモンと言われているホルモンには、「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「コルチゾール」などがあります。
その中でも、副腎から分泌される「コルチゾール」は糖やたんぱく質の代謝を促進したり、免疫機能や炎症抑制に関与していると言われるホルモンです。
コルチゾールの分泌が・・・
ストレスを感じると副腎から分泌される「コルチゾール」ですが、別名「ステロイドホルモン」とか「ストレスホルモン」などと言われています。
このコルチゾールは高すぎると、免疫力が低下してしまうんです。
太古の昔は、危機的な状況下で(獲物に出くわすなど)エネルギーを確保するため免疫システムの省エネ化に努めていました。つまり、免疫機能を低下させ、エネルギーの確保に努めていたのです。
これが、コルチゾールが分泌されると免疫力が低下する理由です。
自律神経が乱れることによって免疫力が低下
ストレスで免疫力が低下するメカニズムは「自律神経」のバランスにもあります。
自律神経とは、「交感神経」と「副交感神経」2つの神経がバランスを保ちながら体の調整をする仕組みです。
精神的なストレスを抱えると、交感神経が優位な状態が続くようになります。
交感神経が優位な状態になると、白血球の「顆粒球」が増えて「リンパ球」が減ります。
この「顆粒球」と「リンパ球」のバランスが乱れることで、免疫システムが低下してしまいます。
自律神経の働きが乱れることによって、免疫力も低下するのです。
ストレスを感じたら「βエンドルフィン」
免疫力の低下を起こすホルモンと言えば先ほど書いた「コルチゾール」ですが、
免疫力を上げるホルモンもあるんです。
それが幸せホルモンと言われる「β―エンドルフィン」
「βエンドルフィン」と言えば、脳内麻薬とも言われ鎮痛薬として使われるモルヒネの6.5倍効果があると言われています。
ランナーズハイと言われるものも、βエンドルフィンの仕業です。
また、幸せホルモンとも言われ、心に幸福感をもたらしてくれる働きがあります。
βエンドルフィンには免疫系のT細胞を増殖させる働きがあると言われています。
T細胞は免疫系の主役ともいえるリンパ球で、外部から入ってきたウイルスなどに感染した細胞を破壊するなどの役割を持っています。つまり、ウイルスなどに負けないための免疫力を上げてくれるんです。
その「βエンドルフィン」はどんな時に分泌されるのでしょうか?
・美味しいものを食べた時
・ペットとのふれあい
・人や物に対する感謝の気持ち
・楽しいことをしているとき
・ヨガや瞑想
・ウォーキングやジョギング
・音楽を聞いているとき
ストレスを感じたら、ストレスの原因となっているものから遠ざかる(原因を断つ)のが一番ですが、そうもいかないときは「楽しいこと」をして、できるだけプラスマイナスでストレスの影響を小さくしたいものです。
それから、「笑い」も免疫力を活性化させると言われています。そして、不快・不充分の感情は逆に免疫力を低下させてしまうそうです。
毎日のように新型コロナウイルスの不安になるようなニュースが流れていますが、見過ぎてしまうと影響を受けると感じている人は、そういったニュースから少し遠ざかって毎日を楽しく生活できるように心がけることも、免疫力を低下させない大事なことではないかなと思います。
日常の生活に満足度が高ければ、脳内セロトニン・ドーパミン・βエンドルフィン等が高まり免疫力が上昇するとも言われています。
最後までお読みいただきありがとうございました。